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- 1枚の名刺に詰まっているいろんなもの
写真はボクBUROKI designの1枚の名刺です。名刺サイズは欧米サイズ(縦89mm×横51mmで普通の名刺サイズよりひとまわり小さめサイズです)でつくっていて、印刷方法は昔ながらのプレスで印刷する活版印刷、名刺の用紙は活版印刷に合う少し厚めのコットン紙をセレクトして制作しました。
SNSの発達で誰でも自分のことを簡単にネットで発信できるようになったとはいえ、やっぱり一番はじめの挨拶には名刺は必要不可欠です。名刺があるのとないのとでは一番はじめのコミュニケーションの広がりが全然違います。
今回のブログでは名刺デザイン制作を例に挙げて、名刺ができていく過程と名刺に詰まっているものを紹介できればと思います。
まず、どんな名刺をつくりたいのかを話し合う時間
依頼を受けてからすぐに制作!というわけにはいきません。元々あるテンプレートを使用しての名刺なら名前や電話番号などの記載情報を入れるだけなので簡単に名刺がつくれますが、ボクは基本的にはテンプレートを使った名刺デザインは受けておりません。
依頼してくださった人のやりたいことや事業に合った名刺をイチからオーダーメイド制作します。そのためにはまずはコミュニケーション。そもそもなぜ名刺が必要なのか、どんな名刺をつくりたいのか、そのためにどんな情報を名刺に載せたほうがいいのかなど、ボク自身もアイデアを出しながら納得するまで話し合います。
載せる情報とクライアントさまがイメージしているデザインを共有したあと、デザインしていく工程に入ります。
デザインを考える時間、イメージしたものを形にできるスキルと知識
名刺は基本的には文字で構成されています。
いかにストレスなく載せている情報を見てもらえるか、名刺を通して起こしてもらいたいアクションをしてもらえるかを考えながら文字を組んでいきます。
名刺に使用する文字のフォントもクライアントさまのやりたいことによって当然変わってきます。例えば高品質を売りにしたブランドをつくっていきたい場合、使用フォントは明朝体のほうがイメージしやすく、スポーツ用品店の場合なら躍動感のあるゴシック系のフォントのほうが雰囲気に合います。「名刺を最適化」させるための知識ですね。これは普段からの積み重ねでしか得ることができません。
デザイナーを名乗っていたとしても、文字を正しく使用することはそれ相応の時間と知識と経験が必要です(もちろんボクも日々勉強中です)。さらには文字と文字の間隔をただしく丁寧に開けていく作業、行間も同じです。読みやすく、しっかりデザインするために揃えるべきところは揃っているか、余白は整っているか、違和感なく文字を組めているか・・あくまでボクの場合ですが、一文字一文字しっかり見て微調整していきます。
昔読んだデザインの本で「プロとアマチュアの違いは0.00000001倍まで拡大してしっかり余白を見れているかだ」と語っていたシーンがあって、それがボクの脳裏にも刻まれています。肉眼ではわからない細部までしっかり調整する。それもプロの仕事です。
「正しく」つくる名刺とボクに依頼してくれた意味を考える時間
載せる情報を読みやすくする、余白を意識してきっちり配置する、思いや伝えたいことを形にする・・それらは名刺デザインとして「正しい」ことで、いわば当たり前のことです。
ここからはBUROKI designだからこそつくれる名刺デザインにしていくことを考える必要が出てきます。でないと、正しい名刺を正しいままつくるだけならボクでなくてもいいはずなんです。だけどもたくさんのデザイナーの中でクライアントさまがボクを選んでくれた意味。それはボクらしい、ボクならではのデザインを期待してくれているからという側面もあると思うんですよね。
ボクならではというのは決してボクの独断や一人よがりで自分がしたいデザインをするというわけではなくて、ボクがつくるからこそよりクライアントさまのデザインを向上させることになるようなこと・・そこを考えて、表現しないといけないと思っています。
ボクの名刺デザインを例に挙げていうと、情報を正しく配置することは前提として、ボクはデザイナーなので「どんな作品を制作しているデザイナーなのか、名刺で少しでもわかるようにしたい」という考えから自作したタイポグラフィ(文字のデザインのことです)作品を裏面に入れることにしました。これがBUROKI designらしい名刺のつくりかただと表現できるものになったと思います。
何度も試行錯誤を繰り返し、名刺として形になる
情報を記載し、名刺デザインが完成したとして、本当にそのデザインでいいのか?もっと良いデザインでつくれるのではないか?そこからレイアウトを何パターンもテスト制作をしてみます。一度固まったデザインから何度も試行錯誤と比較検討を繰り返し、ようやく入稿用デザインデータを作成していくことになります。
入稿用データを作成しながら考えることは印刷する用紙ですね。
名刺は用紙次第でいろんな印象を与えることができます。例えば透明のフィルムに印刷する・・それだけで一気に目に留まる名刺になりますよね?しかし、ただ闇雲に特殊な用紙に印刷することを考えるのではなく、あくまでクライアントさまに一番合った用紙を探し、その用紙で印刷することを考えます。
クライアントさまが用紙について知っていることはほとんどないので、こちらから提案し、用紙の説明をしながら印刷に出すことが多いです。ここまでやって、はじめて名刺として形になってクライアントさまの元に届きます。
1枚の名刺にはいろんな思いと時間が詰まっている
このように、今は便利なサービスもたくさんあり、デザインテンプレートを使えば誰でも簡単にそれなりの名刺をつくれるようにもなりましたが、ボクはやっぱりクライアントさまだけの名刺デザインにこだわりたい。どこにもない、クライアントだけが持つことができる名刺をつくっていきたい。そんな思いでつくっているし、そのための時間がボクのつくる名刺には詰まっています。
デザインされた作品はすべて完成されたものでしかありませんが、ストーリーを知ればより楽しめる。このブログを読んでからボクの名刺デザイン実績一覧を見てみてください。新たに感じられるものがありませんか?
はじめましてBUROKIです。
ベンチャー企業にて11年間webやグラフィックデザインとブランディング経験を経て、2019年5月よりフリーランスデザイナーになりました。完全独学でフリーランスになった異色の経歴の持ち主だと思います(笑)
制作実績やインハウスデザイナーのことなど日々更新しています。デザイン制作のご依頼やお問い合わせなども受け付けてますので、なんでもお気軽にご相談ください。
ベンチャー企業でマスターデザイナーとして働いた後、フリーランスになりました。制作実績やインハウスデザイナーのことなど日々更新しています。制作のご依頼なども受け付けてますので、なんでもお気軽にご相談ください。
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