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11年企業にいたから言えるインハウスデザイナーのメリット・デメリット
2018.12.29.
どうも、ゆでたまごは拳で割る派のBUROKI(ブロキ)です。
寒い日が続きますね。そんなときはこのブログを読んで温まってくださいね。(白目)
よくフリーランスと間違われるのですが、ボクは現在フリーランスとしてではなく、大阪のベンチャー企業にてweb、グラフィックデザインなどの制作や制作にまつわる業務をしています。そしてその企業に属して今年で10年目。もうかなりのベテランの域です。
実際に社内では「巨匠」と呼んでくる人もいたり・・(半分はネタですけどね) ※2019年5月よりフリーランスデザイナーとして活動を開始しました。
デザイナーには2種類いる?
デザイナーは基本的に2種類います。
一般企業に属しているインハウスデザイナーと制作関係の現場に属しているデザイナーです。
後者はフリーランスも含みます。
デザイナーの心情としてはいろんなタイプのデザインを手がけ、作品を制作することで実績やスキルを磨きたい。
よって後者を希望する人が多いかと思います。もちろんブロキ自身もそう思っていた時期もあったし、とても重要なことだと今でも思っています。
しかし蓋を開けてみると僕は11年間もの長い間一般企業でデザインをしてきました。
そんな企業内デザイナーだからこそ言えること、そして採用活動での面接や実際に制作会社で働いてきた人たちと一緒に仕事をしてきて、見てきて感じたことなどをふまえ、今回は企業内でインハウスデザイナーとして働くことのメリットとデメリットを挙げてみようと思います。
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このブログの目次
メリット 1. デザインしたものの「その後」がわかり、デザインを育てるという概念が身につく
インハウスデザイナーの1番の特徴・・それは基本的に自社のものを制作することです。
例えば自社のwebサイト、LP、名刺、封筒、ロゴマーク、イベントポスター、新事業のロゴマーク、サイト、会社概要、プレゼン資料関係などなど・・
実は自社の制作物だけでも多岐にわたるくらいデザインされているものは多くあります。
そして自社のものであるので「クライアント」という概念があまりないです。
自社の他チームに納品することはありますが、制作会社やフリーランスによくある「つくって納品して終わり」ということはほぼありません。特にweb制作関係はわかりやすいのですが、制作したページの公開からその後の反応などがダイレクトにわかります。
アクセス数や売上金額のように数字としてダイレクトにわかるので、そこからの改善を行っていくという業務がメインになっていくこともあります。「デザインをつくる」というだけでなく「デザインを育てる」という考え方や概念身につきます。これは恐らく将来的にも役立つスキルになるはずです。
なので「自分がデザインしたものがその後どうなって、どんな効果を与えているのかわからないから知りたい」と思っている方にはおすすめの環境だと思います。
実際に制作会社でデザインをしてきた人が面接に来た際もこのような悩みを持っていて、制作したものを育てて効果のあるデザインをしていきたいという気持ちから応募してくる人が多かったです。
デメリット 1. いろんなテイストのデザインができない
いち企業でデザイナーが働く・・その時点でデザイナーなら誰もが想像しうることだと思います。そうです。インハウスデザイナーは基本的にその企業の制作物に限定されることが多いので、制作会社のようにいろんな企業や事業のデザインに関わることができません。
ボクもデザイナーなのでわかりますが、デザイナーはかっこいいデザインやかわいいデザイン、和を感じるデザインなどさまざまなデザインテイストを制作することで経験として身につけていきたいという気持ちを持っています。なので多彩なクライアントがいる制作会社に入り、将来的にデザインの引き出しを増やしていきたいと考えている人には不向きな環境であり、インハウスデザイナーである以上それはほぼ不可能です。(副業としてデザイン活動されている人は除きます)。
デザイナーの20代は本当に貴重な時間なので、いろんな経験を積むかひとつのデザインを極めるか、悩みどころですね・・
メリット 2. web、グラフィックなどデザインできる媒体の「幅」が拡がる
インハウスデザイナーとして働く場合、その企業内にデザインチームやクリエイティブチームがあることもありますが、基本的には制作会社よりもデザイナーの絶対人数は少なく、企業によっては1人ですべての制作を任されてしまうことも・・ボクは数年もの間、1人ですべての媒体の社内制作を担ってきました。
元々web制作系として入社したボクでしたが、入社してからはwebサイトの制作・修正・更新はもとよりロゴ、名刺、チラシ、ポスター、看板、サイン、パンフレット、ステッカー、Tシャツ、トートバッグ、社内報など、様々な媒体のデザインを経験させてもらいました。制作会社はwebやグラフィックという分け方だけでなく、web制作の場合でもデザインならデザイン、コーディングならコーディングのみと分業化されていることも多く、スキルに偏りが生じている人をよく見かけます。
ですがインハウスデザイナーの場合はそもそも社内にデザインに興味があってもデザイン制作の中身にまで興味がある人はほとんどいません。なので「これもできますよね?」みたいな感じでいろんな制作を任されてしまうことが多いです。
専門外の分野でも「やるしかない」環境なので経験していくことにより、様々なスキルが自然と身についていきます。
ボクは入社当初はグラフィックデザイン経験はほとんどなく、雑誌に広告を出すことになったときにwebと紙での写真の解像度の違いもわからないまま入稿してしまい、写真が粗いまま印刷され恥ずかしい思いをしたこともあります・・(笑)これも経験ですよね。
デメリット 2. デザイナー同士の横のつながりができない
これはフリーランスで活動されているデザイナーさんにも共通する悩みかもしれませんが、基本的に自社の制作を手がけるインハウスデザイナーは他の企業のクライアントやデザイナーと関わることがかなり少なく、デザイナー同士の横のつながりはほとんど持てません。
横のつながりを持てないということは見聞を広めることも容易ではなく、日々の業務の効率化やデータの管理方法の改善、デザインの流行・最新スキルをいち早くキャッチすることが本当に難しいです。その分「自分から積極的にアンテナを張ってスキルを磨く術を持つ」という発想を身につけることはできるのですが、文字通り日々勉強という状態になってしまいます。
そうならないためにも積極的にデザイナーの交流会に出かけたりセミナーに出かけたりという自主的な行動は必要不可欠です。
メリット 3. デザイン以外の考え方に触れられる
インハウスデザイナーは基本的に「一般企業」に勤めています。
一般企業に勤めるということは、デザイン以外のさまざまな業務をしている人たちの中に入るということ。ボクの勤めている会社にはデザインチームやシステムチーム以外に物流チームやカスタマーサポートチーム、バイヤーチームなどいろんなチームが存在していて、普段はそれぞれ全く違う業務をしています。
デザイン以外の業務をしている人たちが普段感じていることやこれからの時代のこと、興味あることなど、いろんな考えに触れることができます。例えると異業種交流会に近いイメージかもしれません。
デザイン以外の領域からの考えを取り入れ、またデザインに落とし込むという独自の制作ルートが確立できる可能性はあるかと思います。独自すぎて需要があるかどうかは不明ですが・・(笑)
デメリット 3. いろんな人のデザイン観に振り回される
これは個人的な印象もあるかと思いますが、インハウスデザイナーがいる会社や制作チームのある会社で働くスタッフは「デザイン」に対してすごく身近に感じている人が多い印象があります。あまりにも身近なのでデザインできるできないに関わらず、デザインに対しての考えをしっかり持ちはじめます。
それがいい意味で作用する場合もあるのですが、場合によっては悪い方向へと作用することもあり、それに対してなかなか意見が言いにくい・・そんなストレスを抱えてしまうこともあります。それぞれがプライドを持って仕事してますからある意味で仕方のないことなのですが、近すぎるからこその難しさはよく感じます。
メリット 4. 残業時間が少ないからプライベートが充実する
働く企業によりますが、今のボクの勤務先では残業時間は月に42時間以内と決められています。なので最近は遅くても21時には帰路についていることが多いです。
元制作会社にいたというデザイナーと面接させてもらった際、「毎日終電逃すくらいまで働いていて、電車がないからタクシーで帰っていた」という話をよく聞きました。それが嫌になったから転職したいという方も・・モチベーションを保つことはすごく大事なことですよね。残業時間が比較的少ないのもインハウスデザイナーならではのメリットなのかなと思います。
会社にいる時間をできるだけ減らして、プライベートを充実させることでいろんなことをインプットし、それをデザインにアウトプットして活かしていく・・それもデザイナーにとって大切なことですよね。
デメリット 4. デザインに集中できる環境が整っていない
インハウスデザイナーの場合、仕事する場所は他の業務をしている人たちと同じオフィス内になることが多いです。なのでPCもwindowsなのは当たり前で企業によっては有料フォントも使用できないなんてことも。デザインを知らない人が多いので説得するのは少し大変です。ボクの場合もモリサワフォントを使えるようになるまで3年ほどかかりました。(笑)
お客様とのやりとりが多い企業の場合は電話がよくかかってくるのでその電話の音や話し声でなかなか集中できないということも・・デザイナーというより会社員という扱いなので仕方ない部分はありますね。
どちらにしても一長一短。選ぶのはあなた次第
いかがでしたか?少し長くなりましたが、今回はメリットとデメリット、各4項目ずつ挙げてみました。
どちらにしても一長一短はありそうですが、自分にとって最良の選択をしてきたいものですね。
ただ、ボクの最終的な意見としては両方経験しておくことはデザイナーの今後としてすごく大事なことなのかなと思います。
合わせてこちらのブログもどうぞ
インハウスデザイナーになろうとしている人、悩んでいる人に向けて、さまざまなブログを書いて発信しています。すべてのインハウスデザイナーが幸せになれますように・・よかったらこちらの記事も参考にしてみてください。
はじめまして! BUROKIです。
ブログをご覧いただきどうもありがとうございます。ブロキと申します。ベンチャー企業のインハウスデザイナーとして11年間様々な媒体のデザインとブランディング経験を経て、2019年5月よりフリーランスデザイナーになりました。完全独学でフリーランスになった異色の経歴の持ち主だと思います。(笑)
他にもいろんな作品の紹介やブログを書いてるのでぜひ見てみてください。デザイン制作のご依頼やお問い合わせなども受け付けてますので、なんでもお気軽にご相談くださいね。
ブログをご覧いただきどうもありがとうございます。他にもいろんな作品の紹介やブログを書いてるのでぜひ見てみてください。制作のご依頼やお問い合わせなども受け付けてますので、なんでもお気軽にご相談くださいね。
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