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日頃制作に関するお問い合わせをいただいておりますが、その中でも「個人でデザインをやっている人を探している」といった方は個人法人問わず多くいらっしゃいます。
その理由はさまざまではありますが、大体が以下のような項目だと思います。
- 制作費用を抑えられる
- 担当者が変わらない
- 柔軟に迅速に対応してもらえる
- 人と人との関係を築きやすい
これらは決して間違いではなく、むしろフリーランスデザイナーの強みでもあると思います。
ただ、この項目の中で「制作費用を抑えられる」に関してはボクは思うところがあります。
確かに個人で請け負っているので仲介業者に支払う余計なコストが必要なく、制作会社にお願いするよりは制作費用を抑えられることは多いです。実際にボクもwebサイトには制作料金は載せていませんが、見積もりを出させていただくときはなるべく相場を意識して見積書を作成させていただいております。
しかし多くのフリーランスの価格事情を見ていると、デザイナーの皆さんは特に安売りしがちです。「低価格」で勝負してしまっています。
今回のブログでは、「個人事業主(フリーランスデザイナー)ほど安売りをしてはいけない理由」を書いてみたいと思います。
フリーランスの方、いま一度見直してください!
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このブログの目次
フリーランスは制作費が生活費となります
フリーランスはどこかの会社に属しているわけではなく、個人事業主として活動しています。いわば自営業ですね。なのでフリーランスデザイナーの場合はいただいた制作費が給料となり、そのまま生活費となります。
価格を低くすればするほど依頼する側には節約できたと喜ばれるかもしれませんが、フリーランス側はその分給料が低くなり、低くなるほど大変な生活を強いられます。これってwin-winではないと思いませんか?
「実績作りのためにデザインさせてくれるならお金はいりません」という駆け出し・未経験のデザイナーも中にはいます。できればそれもやめておいたほうがいいです。無料同然でデザインを受けてきて、どのタイミングでお金をとるようになるんでしょう?ある人までは無料で、ある人からは有料・・それって不公平になりませんか?
。これから先にもデザインで生きていくという覚悟があるなら、未経験だろうが実績が無かろうが有料で依頼を受けるべきです。それが自信につながります。確かにお客さまあっての商売ですが、下手に出る必要はないとボクは思っています。その分デザインでお返しすればいいので。
安売りをすればするほど「安さ」だけが売りになっていく
世の中には「安さ」を売りにしているお店はいっぱいあります。
100均ショップがいい例ですよね。売っているものがすべて100円なので安く買い物ができます。しかし、安さを売りにしているほとんどのお店は全国チェーン展開しています。いわゆる薄利多売ですね。
1店舗の利益が少なくても全国の店舗の利益を合わせるとそれなりの利益を得ているんです。しかしこのモデルと同じことを1店舗のみ経営のお店がするとどうなるか?ただただ売上が低いだけで経営が苦しいお店になってしまいます。
なので、適正価格にすることが大事なのです。
低価格は悪循環を生みやすい
それと、もうひとつ危惧すべき点・・それは依頼する側からの印象です。「安さ」というのはどこの業界でもインパクトがあり、デザインの良し悪しよりも価格の安さのほうが誰しも判断しやすいのです。その結果、判断しやすくインパクトのある印象が抜けずに「良いデザインをしてくれる人」ではなく、「安くつくってくれる人」になってしまいます。
低価格で受けたクライアントさまから、ありがたいことではありますが別のクライアントさまを紹介していただくこともあります。しかし、その場合ももちろん低価格での受注となってしまい(「安さ」をシェアされていることが紹介される理由になっています)、どんどん低価格の循環ができてしまいます。
このサイクルからなかなか抜け出せず疲弊する・・ということもあるのです。
安売りを回避する努力をする
では安売りしないためにはどうすればいいのか?いくつか方法はあります。
1. 価格交渉をする
ひとつは価格交渉をすることです。
制作案件がきて詳細を聞いたとき、フリーランスデザイナー側は「この案件はこれくらい費用が必要だな」とある程度判断できます。その感じた費用感をまずはそのまま伝えます。依頼側が想定している費用感とのズレはほとんどの場合発生するので、そこからは交渉します。
「ぼったくれ」と言っているわけではありません。あくまで相場の価格を提示する。案件にはいろんなものがありますから、柔軟に提示して価格交渉してみるといいと思います。
中には「安くやってくれると思ったのに」と思われて音信不通になる人もいますが・・それはその程度の依頼主だったということです。気にせず頭を切り替えましょう。
2. 自分に価値をつける
デザインの制作単価を上げるには自分に価値をつけるのも有効です。
例えばデザイン関係の書籍に自分の作品が掲載された、SNSのフォロワーが多く拡散力がある、自分の発信の場を持っていて月間PVが多いなどなど・・。有名デザイナーがデザインしてくれるとなったとき、さすがに一般の人であっても低価格でつくってもらえるとは思わないでしょう。逆にいくらかかるんだろう?とドキドキするはずです。
人間は権威に弱い生き物です。
価格交渉を難なく進めるためにも自分自身に価値をつけるための努力を日々継続しましょう。
値下げで廃業はあっても値上げで廃業はない
ここまで「デザイン費用の安売り」について書いてみました。
お金がすべてだとはボクは思っていません。実際に提示した金額以上のサービスをすることも多いです。ですが、お金がないと生活ができない、フリーランスを続けていけないということも事実です。本当に困ったとき、誰も助けてくれないですから・・。
最後にボクが尊敬している「ある人」がツイートしていた言葉を紹介します。
「値下げで廃業した企業やお店はあっても値上げで廃業した例はひとつもない」とのことです。
個人で事業をやっていくためには、デザインスキルだけでなく営業能力や交渉能力も必要になってくる・・。ボク自身もまだまだ勉強の身ですが、自分だけが損をしない、もちろんクライアントさまも損をさせないように、時には失敗しながらフリーランスデザイナーとして心豊かに活動していきましょう。
大好きなデザインを続けていくために、自分の身は自分で守りましょう!
はじめましてBUROKIです。
ベンチャー企業にて11年間webやグラフィックデザインとブランディング経験を経て、2019年5月よりフリーランスデザイナーになりました。完全独学でフリーランスになった異色の経歴の持ち主だと思います(笑)
制作実績やインハウスデザイナーのことなど日々更新しています。デザイン制作のご依頼やお問い合わせなども受け付けてますので、なんでもお気軽にご相談ください。
ベンチャー企業でマスターデザイナーとして働いた後、フリーランスになりました。制作実績やインハウスデザイナーのことなど日々更新しています。制作のご依頼なども受け付けてますので、なんでもお気軽にご相談ください。
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